Q.
血液ガスの体温補正は必要か
A.
体温が1℃低下するごとにpCO2は4.3%低下する。つまり低体温ではpCO2は低下する。具体的には37℃の体温でpH 7.4 , pCO2 40mmHgの血液は、33.5℃の低体温下ではpH 7.45 , pCO2 34.3mmHgとなる。 α-stat法は、外因性にCO2を投与することなく、37℃(血液ガス測定環境)でPaCO2 40mmHg、pH7.4を維持する方法であり、pH-stat法とは、invivoの体温(低体温中の33.5℃)に補正したとき、PaCO2 40mmHg、pH7.4を維持するようにCO2を調整する方法である。 世界的にも,新生児~小児領域では,患児体温における血液ガス評価(pH-stat)が標準であり,低体温療法のRCTにおいても,pH-statが採用された.わが国においても,患児体温補正をした血液ガス値において,正常pH・酸素・炭酸ガス分圧を維持することが望ましい。PaCO2 <35 mm Hgである累積時間が生後1歳半~22ヶ月までの死亡率や神経学的予後に影響するという報告があり、温度補正が不可能な簡易血液ガス分析機を使用する場合にも換算表やグラフを用いて,極端な低炭酸ガス血症などを避けることが必要である。